徒然ブック

サッカーや映画の感想、日常生活などをつらつら書いていくブログ

リヴァプールFCを応援する理由について書くページ

f:id:mu-to1213:20171225175614j:plain

You'll Never Walk Alone

なんとなくNHKでやっていた試合を見て、なんとなく応援を始めた。それが私がイングランドのビッグクラブLiverpool FC(リヴァプールFC)を応援し始めた理由。当初はまだまだプレミアリーグの勢力事情なんて知らなかったから、リヴァプールがリーグ優勝から遠ざかっていると知っても「まぁそのうち優勝できるでしょ。ついこの間CL(チャンピオンズリーグ)で優勝したみたいだしさ」程度にしか思っていなかった。まさかそこから10年以上経って、国内カップを1度優勝するだけとは……。むしろ破産しかけていたことを考えれば、今の状況は良い方、なのかも。

リヴァプールFCを応援する理由①:強くない

長年応援しているファンには怒られるかもしれないが、正直言ってしまえばリヴァプールって大して強くない。だってそうだろう、自分が応援し始めた2006年から今日に至るまで、まともに優勝争いを繰り広げたのは08‐09シーズンと13‐14シーズンの2回だけだなのだから。そう、2回だけ。これ、仮にもビッグクラブを名乗るクラブとしては、余りにも情けない数字ではないだろうか。

ちなみに2010年代に入ってからはCL出場資格が与えられる4位以内に入ることすらままならず、安定して6~8位のポジションに居座り続けていた。ここまで行くと「おたく本当にビッグクラブ?」と思われそうだが、ビッグクラブはビッグクラブなのだ。KOP(リヴァプールファンの総称)に聞いたらほぼ確実にビッグクラブだって答えるでしょう。だからビッグクラブなんだよ。

そもそも応援しがいのあるチームというのは、最強のチームよりもリヴァプールのようなチームではないだろうか。もちろん贔屓目は入っている。強くないからこそ、無様な姿を見せ続けてくれるからこそ、でも時々良いところを見せるからこそ、応援したくなるもの。上手くいったときの歓びは倍、上手くいかなくても「いつものことさ」で済ませられる、とてもお得なクラブなのだ。もちろん、誰もが成功を信じて応援をしているはず。いつかきっと黄金時代を取り戻せる……そう信じて、声援を送り続けるリヴァプールファンは世界中にいるのではないだろうか。たとえ何度裏切られようとも。

リヴァプールFCを応援する理由②:試合が面白い(例外あり)

 「何でリヴァプールなんて応援してるの」と聞かれて、よくファンが口にする理由が「試合が面白い」というものだ。たしかに、イスタンブールの奇跡(CL決勝でミラン相手に3点差を付けられながら追いつき、最終的にはPK戦で勝利した試合)は早々見られない劇的な試合だったし、現在(2018年1月の時点)のリヴァプールの試合も非常に面白い。なぜか。とにかく点が入るからだ。どちらかというと中立な立場のファンが見たほうが楽しめるかもしれない(リヴァプールファンは失点するたびに心が死ぬ)。

ただし、リヴァプール=面白い試合をするクラブというわけではないと思う。たまたま現監督のユルゲン・クロップ、前監督のブレンダン・ロジャースがエンターテインメント溢れる試合を施行する監督だっただけで、退屈な時期もかなり多かった。近年クラブでもっとも成功を収めたラファエル・ベニテスだって、どちらかといえば守備的な監督だったし(自分は好きだったけれど)。

そしてやはり退屈な時代といえば、もはやリヴァプールファンにとっての黒歴史であるロイ・ホジソン監督時代だろう。毎試合イングランド的なサッカー(つまり前時代的)がピッチで展開され、スタンドは歓声よりため息の数の方が多かった。多分試合よりも試合観戦してるKOPの絶望的な表情映している方が、ドラマ性があって面白かったんじゃないかな。もちろん順位も最悪で、降格圏内に片足を突っ込んでいた。ちなみにこの時期はピッチ外でも悪名高い2人組のアメリカ人オーナーによって破産寸前に追い込まれるなど、まさに暗黒時代。

f:id:mu-to1213:20180111163427j:plain

みんなこんな表情でした。

そこから同じアメリカ人ではあるものの極めてまともなオーナーに代わり、監督はクラブ屈指のレジェンドであるケニー・ダルグリッシュへ交代。ようやくまともにクラブとして機能するようになったリヴァプールは、打って変わって移籍市場でも積極的な動きを見せるようになった。普通、復活すると思うよね?しないんだなこれが!

リヴァプールFCを応援する理由③:何度も裏切られる

たとえ何度裏切られようと応援する声をやめないKOPを「そうですか、では」とでもいう風に、何度も裏切ってくれるのがリヴァプールの特徴だ。英雄ダルグリッシュの元、鮮やかにこれまでの失態を巻き返すような進撃を見せてくれるだろうと期待した11‐12シーズンは、14勝14敗8分けの8位。中堅チームかな?

内容を見てみても、目玉とされた新戦力の英国人たち(アダム、ダウニング、ヘンダーソン)がことごとく期待外れであり(ヘンダーソンは後年覚醒した)、退屈な試合運びは正直ホジソン時代と大差なかった。ホジソンが解任された後の10‐11シーズンは内容結果共に今後が楽しみな出来だった分、裏切られた落胆もひとしおだった。というか、ホジソン時代よりがっかり度は上だったかも。最後は劇的な優勝を果たしたシティの裏で、ひっそり昇格組のスウォンジーにホームで負けていた。もはやJスポーツで放送すらしてくれなかった試合を、真面目に見ていた日本人KOPはどれくらいいただろう。

ただ、このシーズンに獲得したカーリングカップが、現在のところリヴァプールが獲得した最後のタイトルになっていたりする。

f:id:mu-to1213:20180111172623j:plain

もちろん、リヴァプールがKOPの期待を裏切るのは11‐12シーズンが最後ではなかった。ここ最近でもっとも大きかったのは、やはり14‐15シーズンだろう。このシーズンはクラブのすべてといっても過言ではないチームのキャプテン、スティーブン・ジェラードリヴァプールで過ごす最後のシーズンだった。

この偉大なレジェンドに有終の美を飾ってもらうため、KOPが期待したのは何よりもタイトル。ところがこのシーズンは、絶対的なエースだったルイス・スアレスが退団した影響が色濃く極度の不振に。リーグでは早々にタイトルレースから脱落し、久しぶりに出場したCLは屈辱のGL敗退。まぁジェラードの退団が決定したのは色々終わった1月だったけどさ、もう少し意地を見せられなかったかな。

主要なタイトルを獲得する望みは潰えた、ならば最後に残されたタイトル、FAカップを獲りに行こうと、KOPは怪気炎をあげていた。奇しくもFAカップ決勝の日(5月30日)は、ジェラードの誕生日。何たる偶然……! 優勝と誕生日を祝いながらキャプテンを送り出せるなんて!

この流れで十分察せると思うが、もちろんリヴァプールが5月30日にトロフィーを掲げることはなかった。というかその日は会場のウェンブリースタジアムにすらいなかった。何故って?準決勝で負けたから(しかも相手はリーグで低迷していたアストン・ヴィラ)。

この時ほどクラブに失望したKOPはいなかったのではないか。ついでに言うとジェラードがリヴァプールのユニフォームを着て挑んだ最後の試合(プレミアリーグ最終節 アウェイストーク戦)は、1-6という記録的な大差で敗北している。なかなかできることではないよね。


Steven Gerrard Leads Liverpool Players In EPIC Yaya / Kolo Toure Chant In Dubai

14‐15シーズンが終了した直後の動画。本人は割と元気そうだった。

まとめ

以上が私がリヴァプールを応援する理由。碌なものがない。でも、ダメなものに人って惹かれやすいよね。

読んでくれた人は分かると思うけれど、リヴァプールはKOPの期待を裏切ることに関しては1流だ。そして何度裏切られようと、新しいシーズンがやってくれば期待に胸躍らせるKOPも1流なのだ。

いい加減見限ろうかと思っても、変わらず応援する人を見ていると「やっぱりなんだかんだ期待できるかも……いやできるよ」って思ってしまう。それもリヴァプールの魅力の1つ。You'll Never Walk Aloneって言葉がとても染みるクラブなのだ。でも、そろそろ報われても良いんじゃないかな。