ヴィッセル神戸の2017シーズンを振り返るページ
開幕戦で終わっていた……!
2016シーズン、セカンドステージ2位(クラブ初)、エースのレアンドロが得点王獲得など、クラブ創設以来初めてポジティブなニュースしかない状況でシーズンを終えたヴィッセル神戸。当然、サポーターの期待は高まる一方だった。
オフにはスポルティング・リスボンから田中順也、ガンバ大阪から大森晃太郎、ベガルタ仙台から渡部博文を補強するなど、各ポジションに実力者を加え確実に戦力強化。
そしてなんといってもルーカス・ポドルスキだ。獲得の噂があがったとき、このドイツ代表(今年3月に引退)のスターが本気で来ると思ったサポーターはいなかったはず。それがあれよあれよという間に話が進み、ついには7月からという形でガラタサライからの獲得が決まった。
ネルシーニョ体制も3年目に入り、サポーターは「タイトル獲得」という大きな目標に向けて胸が膨らむ一方だった。今にして思うと、胸が膨らめば破裂するを繰り返すのが自分たちだったんだけれども。
開幕戦、清水相手に勝利したものの……
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— ヴィッセル神戸 (@vissel_kobe) 2017年2月27日
2月25日にIAIスタジアム日本平で行われた開幕戦。橋本和のゴールでヴィッセル神戸は開幕戦勝利を収めたものの、勝ち点3とは比較にならないくらい重要な人物をいきなり失うことに。
レアンドロ、左膝前十字靭帯損傷および外側半月板損傷で6か月離脱
ヴィッセル神戸のFWレアンドロ選手(32)は、2/25(土)J1リーグvs.清水エスパルスの試合中に負傷し検査の結果、左膝前十字靭帯損傷および外側半月板損傷と診断されました。なお、全治は約6ヶ月の見込みです。https://t.co/03DJEdiBfx #vissel
— ヴィッセル神戸 (@vissel_kobe) 2017年2月28日
振り返ってみるとこの瞬間、ヴィッセル神戸の2017シーズンは終わっていたのかもしれない。得点王にして前線の起点でもあったレアンドロを欠き、序盤こそ好調だったもののチームは次第にペースダウン。開幕4連勝があったにも関わらず、6月までで7勝7敗2分けと、タイトルやACLを目指すクラブとしては致命的な成績となってしまった。ネルシーニョの進退が怪しくなってきたのも、この辺りから。
とりわけ深刻だったのが攻撃面。レアンドロや鹿島に移籍したペドロ・ジュニオールの穴を埋められず、頼みの渡辺千真は11節の鹿島戦でようやくゴールを決めるまでノーゴールと不調に喘いだ。
おそらくほとんどの神戸サポーターが「ポドルスキー!早く来てくれー!!」状態だった。それだけ、この状況を現有戦力で打破するのは無理だと思っていたから。そんななかで、元ドイツ代表はへんてこな帽子を被りながらやってきた。
公式サイトへ本日の「ウェルカム ポルディ!」イベントの写真を掲載しました📷参加された方は集合写真をダウンロードしてくださいね😉https://t.co/kYU25m9atc#vissel #poldi #ポドルスキ #ようこそpoldi #WelcomePoldi #Jリーグ pic.twitter.com/LOVKzNKxDW
— ヴィッセル神戸 (@vissel_kobe) 2017年7月6日
独特なセンスですね!
ポドルスキは凄かった。が……
結果から言って、ポドルスキは凄かった。リーグデビューとなった大宮戦でいきなり2ゴールの大活躍。その後は運動量の低さなどが目立ち「あれ、これよくある外れ助っ人パターンなんじゃ」と不安を感じさせたものの、涼しくなるにつれチームに欠かせない選手に。得点こそコンスタントにあげられなかったが、視野の広さやサイドチェンジの精度の高さなどで、世界のレベルを教えてくれた。ほかの選手のレベルが低かったんじゃないの?とかは言ってはいけない。
が、いい選手が1人入ったくらいでチーム状態が変わるほど甘くないのがJリーグ。その後もヴィッセル神戸は順調に勝ち点を落とし続け、22節のFC東京戦で今季3度目の3連敗を喫したタイミングで、ついにネルシーニョは解任されてしまった。無念。
吉田監督の下、悲願の初タイトルを目指すも……
その後、暫定的にチームを率いることになった吉田孝行監督の元で何とかチームを立て直し、残留は確定。最終的には9位という順位でシーズンを終えることになった。今までのことを考えれば、これだけグダグダだったにも関わらず一桁順位で終えれた辺り、成長したんじゃないだろうか。開幕前の目標からはかけ離れているが、神戸サポーターにとって目標の下方修正は得意中の得意なのだ。
散々だったリーグに比べ、サポーターに希望を持たせたのが天皇杯だった。中でも準々決勝鹿島戦は、今シーズンのベストマッチとして挙げる人が多いはず。勝利に対する執念がこの試合からは感じられた。
【ハイライト】ヴィッセル神戸×鹿島アントラーズ「第97回 天皇杯 準々決勝」
何度見てもポドルスキへの警告のシーン酷いな!後日処分取り消しとかもなかったしな!
今シーズンはセレッソ大阪がルヴァン杯、川崎フロンターレがJリーグで優勝をして、無冠クラブを脱却している。ならば自分たちも天皇杯優勝して無冠脱却だ!と、鼻息を荒くしていたサポーターは多かった。……もちろん、現実はそんなに甘くなかったけれど。
今日の #天皇杯 #準決勝 C大阪戦は#小川慶治朗 選手のゴールで先制しましたが、延長120分の激戦の末1-3で敗戦となり、残念ながら決勝進出はなりませんでした。今日も最後まで熱い熱い応援を本当にありがとうございました!https://t.co/t0vSeDn3mb#vissel #WeAreKobe #一致団結 #神戸vsC大阪 pic.twitter.com/vPnlG7L3Wx
— ヴィッセル神戸 (@vissel_kobe) 2017年12月23日
まぁ、天皇杯に関してはよくここまでたどり着いたよ。先制から1分後に追いつかれるのは、らしさ全開だったけどさ。こうして、ヴィッセル神戸の2017シーズンは幕を閉じた。良い試合もいくつかあったけれど、正直積み上げはほとんどなかったシーズンだったと思う。
来シーズン、大丈夫ですかね?
今シーズン終わっちゃったし、来シーズンのこと考えようぜ!と思っても、あまり明るい話題がないのが現状だ。まず吉田監督がこのまま続投するのは絶対によろしくない。正直、8月からチームを率いて4か月が経ったが、チームとして何も成長してないように思う。何度同じような失点シーンを見たことか……。
攻撃面でも、結局最後までポドルスキを活かす手段は見つけられないままだった。最終的にはボランチの位置まで下がってせっせとボールを捌いていたポドルスキを見てると、「宝の持ち腐れ」以外の言葉が見つからない。理想をいえば、経験豊富な外国人監督に来て欲しいな……。
それからメディカルの体制も見直して欲しい。今シーズンも怪我に泣かされたヴィッセル神戸。レアンドロが練習に復帰したと思ったら再負傷、高橋峻希は復帰した試合で再離脱するなど「メディカル大丈夫かよ……」と思う場面がいくつもあった。しっかりメディカル体制を整えれば、ポドルスキも神戸で治療する気になってくれるかもしれない。そうすれば「ポドルスキ、行方不明!?」みたいな確度0の記事をスポーツ紙に書かれることもなくなるんじゃないかな。
補強に関しては岩波や大森、ハーフナーなどが出て行きそうなので、その穴を埋めつつチーム力をアップさせるような補強が必要。ベガルタ仙台の三田とかはすごく良いと思う。後はニウトンが退団して、レアンドロの去就も不透明なので、ここはポドルスキに続き大物外国人でも取りましょうか。「オフシーズンだけは主役」と評判のヴィッセル神戸が、本気を出すのはここからだ!