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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の感想(ネタばれあり)をつらつら語っていくページ

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突っ込みどころ多かったな!

前回の言葉通り、さっそく『スターウォーズ/最後のジェダイ』を観てきた。観てきましたよ。

 

mu-to1213.hatenablog.com

公開翌日だけあって、寒風吹きすさぶ中でも映画館は満員。隣の席では中年の女性2人が「カイロ・レンはいかに罪深いか」について力説していた。ハン・ソロのファンだったのかもしれない。

そんなこんなで始まった、約2時間半の本編。抱いた感想は「面白い!」と「微妙!」が相半ばする、なんともいえないものだった。微妙成分の方が多かったかもしれない。

面白かった点

・美術面

いつになく画面が綺麗だった気がする。個人的に『スター・ウォーズ』の舞台として真っ先に思い浮かぶのが「砂」。砂が舞い全体的に埃っぽいのが自分の抱くスター・ウォーズのイメージだ。実際、シリーズ中には砂の惑星が何回も登場している。

  • エピソード4:タトゥイーン
  • エピソード6:タトゥイーン
  • エピソード1:タトゥイーン
  • エピソード2:タトゥイーン、ジオノーシス
  • エピソード3:タトゥイーン
  • エピソード7:ジャク―
  • ローグ・ワン:ジェダ

思ったより多かった。タトゥイーンすごいな。ジャク―も見た目ほぼタトゥイーンだし、ほぼ皆勤だね。……とこのように、スター・ウォーズといえば砂。ここまで長くシリーズが続いていながら、映像化された美しい惑星って「ナブー」と「エンドア」くらいだろう。

ところが今回はルークが隠遁生活を送っている自然豊かな惑星「オク=トー」や、白い塩原に鮮やかな赤い粉塵が印象的だった塩の惑星「クレイト」など、珍しく綺麗な舞台が多かった。

それから作中最大の見せ場だった(と思う)レイとカイロ・レンが共闘するシーンも、赤い背景の中でエリート・プレトリアン・ガードと戦う姿は演出の効果もあってかとても美しかった。

このように、美術的には今回の作品はとても良かったと思う。

・ルークとヨーダ

弟子のカイロ・レン育成に失敗するや、レジスタンスのことなんて歯牙にもかけず引きこもりを決めたルーク。しかもカイロ・レンが裏切る決定打となったのは、「危なくなる前に殺したろ」というダークサイド的精神を発揮したルークだったと判明し、ダメ教師っぷりをいかんなく発揮してくれる。この作品、まともな指導者出てこないな……。

せっかく修行に訪れたレイに対しても修行をつけない→つける→やっぱつけないを繰り返し、結局大した教えを授けることはなく、カイロ・レンを救うと意気込むレイを止めることもできず「この人なにやってんの……?」感が漂っていた。

そこに現れたのが、ファンならだれもが知っているグランドマスターヨーダ。愚かな弟子を諫め、進むべき道を教え、「過去のものだから」とジェダイにとって神聖な書物などをすべて焼き払った。一部では無能の象徴といわれたヨーダが、1番輝いた瞬間だったかもしれない。「超えられるために我らがいる」というようなセリフは、続3部作を象徴するセリフだった気がする。

ヨーダに諭されてか、そこまでのいいとこなしの爺さん状態から一転、突然輝き始めるルーク。レイアとの再会にはグッときたし、集中砲火を浴びながら平然とカイロ・レンの前に立ちふさがる姿は凄みがあった(流石にかつての弟子を愚弄し過ぎな感もあるけど)。そしてラスト、太陽に向かって禅を組みながら静かに消えていく姿は、寂しさを漂わせつつも美しい死に方だったのでは?結構感動した。

・カイロ・レン

『フォースの覚醒』では、良いところを見つけるほうが大変だったカイロ・レン(例:すぐ癇癪起こす、チューバッカの銃撃まともに食らう、レイに負ける)。今作もいきなりスノークから罵倒されたりと、前途多難な幕開けだった。

ただ『フォースの覚醒』と違うのは、観る側もカイロ・レンはこういう奴という認識があった点。ダース・ベイダーにはなれない、悪ぶっていてもお坊ちゃんな部分を隠せないのがカイロ・レンなのだ。

今回もレイアを撃てない(次の瞬間手下があっさり撃つ)、エリート・プレトリアン・ガードに負けそうになる(レイは1人で倒した)、ルークを前に冷静さを失って大失敗(何回目だよ)など、ダメダメ部分の枚挙にいとまがない。ただ、だんだんそこが魅力になってくるから不思議だ。アダム・ドライバーの演技のたまものかもしれない。

エピソード9でどのような姿を見せるかまったく予想がつかないが、なんとなくカイロ・レンはものすごくかわいそうな最期を遂げる気がする。というか、ダース・ベイダーになれなかった悪者の最期はそれくらいじゃないと盛り上がらないだろうなと思うと、ますますカイロ・レンが不憫に思えてくる。

微妙だった点

スノーク

最期を見たとき「え、嘘でしょ?」と思った。え、これで終わりってことはないよね、しれっと生き返るよねと思っていたら、普通にそのまま物語が進行していった。

カイロ・レンが霞むくらいの小物っぷりだよスノーク

『フォースの覚醒』では出番らしい出番もなく、今回も「ハックスを罵倒する→追跡のことを知ったらコロッと態度変える」「カイロ・レンを罵倒する→レイを連れてきたらコロッと態度変える」「レイをフォースでぶんぶん振り回す」くらいしかしていない。

最期は完全に見下していたカイロ・レンから不意打ちをくらって真っ二つである。同じ真っ二つでもダース・モールはしっかり見せ場作っていたのに……。

その正体が何なのか、さまざまな仮説が立てられるなど話題になっていたスノークだったが、すべてどうでも良くなるほどの小物っぷりだった。

・フィンとローズのロマンス

いったい誰が得をするのか、じっくり考えてみた結果、誰も得をしないという結論にたどりついた。

そのロマンス、絶対いらない。

だってそれ自体が1つのテーマでもあったアナキン・パドメのロマンスと違って、なくても何も問題がないからだ。そもそもローズの存在自体必要なくない?と言ってはいけない

そもそもお互いがお互いに惹かれる要素あった?

フィンは好きだけれど、ロマンスを担えるキャラかというと微妙。容姿は普通だし(日本人的には)。

そもそも『フォースの覚醒』を見ていれば色々な葛藤を抱える魅力的なキャラだって分かるけれど、今回に限ってみれば「レジスタンスから逃亡しようとした」「お目当ての人物を前に捕まった」「ファースト・オーダーに潜入して捕まった(作戦全部バレた)」などなど、わりとポンコツである。ローズってダメンズ好きなんだろうか。

 

ローズは個人的にジャージャー・ビンクスを超えてシリーズ屈指のいまいちなキャラだった。

原因は容姿じゃない(お姉ちゃんの方が良かったとは思ってる)。なんというか、言動が一々鼻につく。説教臭いんだよね、全体的に。カジノ都市「カント・バイト」で虐げられている動物や子供を見ての発言とか、「クレイト」で特攻しようとしたフィンを庇ったときとか。少なくとも自分は、そういうのスター・ウォーズに求めていないんだけど……。

長い歴史を持つシリーズで、新参キャラがああいう言動とっても全然響かない。違う作品でやってくれ。あと、なんだか主要キャラ(レイ、カイロ・レン、ルーク、レイア)がみんな白人だったから、黒人と東洋人に配慮しなきゃ、みたいな昨今のポリコレ的思想が透けて見えるのも嫌。ラストでレイ・フィン・ローズの三角関係を匂わせるようなシーンあった気がするけど、絶対やめてよね!

・敵も味方もアホ

今回1番ひっかかった部分がこれ。ファースト・オーダーのスノークに関しては既に書いたけれど、そのほかの主要メンバーに関してもカイロ・レン(情緒不安定)、ハックス(スノークから無能のお墨付き)とまったく優秀な人材がいない。ファースト・オーダーがこんな調子ならあっという間に滅びそうなものだが、レジスタンスはそれ以上に人材難の様子。

頼れる人材といえば宇宙遊泳を取得するなど人間を辞めた様子のレイアくらいで、アクバー提督は早々に戦死したため、残された人物は脳筋か無能だけ。

中でも最悪だったのが、昏睡状態に陥ったレイアに代わって指揮を執った紫髪のホルド提督。相手の追跡に気付かず、何故か作戦を満足に説明しなかった結果ポーに反逆され、ドヤ顔で船に残ったは良いものの作戦の失敗を悟り特攻した。

何度考えても、作戦を一部人間以外に黙っていた理由がわからない。たとえばローズのような整備士などに黙っているのならまだしも、ポーらには話すべきだったのでは?スパイを警戒したのかもしれないが、そもそもあの状況でスパイってもう必要なくない? いたとしてももう逃げてるよ。結果として装備も人員もほとんど失っちゃったよレジスタンス。あとどうせ特攻するなら最初からやろうか。

そもそもしっかり作戦を説明しないから、レジスタンスなのかも微妙なフィンとただの整備士ローズが勝手な行動始めて、すべてを台無しにしたんだぞ!あの2人のシーンに費やした数十分なんの意味もなかったからな!

……とまぁ、全体的に「こっちもアホだけど相手はそれ以上にアホだから問題ない」って展開が目立った今作。ファースト・オーダーはカイロ・レンの覚醒に期待するとして、レジスタンスの方は人材的に絶望感が漂う。レイアが死ぬのは役者的な都合で確実だし、数少ないまともな人物であるレイも統率力はなさそうだし。とりあえず、人を率いるには何が必要かを知ったっぽいポーの今後に期待するしかない。

まとめ

観たときは面白いと思ったけれど、冷静に考えると粗だらけだった気がする『最後のジェダイ』。エピソード9はレイアを死なせる必要がある以上、今回から時間が経過した状態で始まるはず。いろいろどうするのこれ状態な今の状況を、どう綺麗に畳んでいくかが楽しみだ。というか綺麗に畳んでくれ。ローズはもういらないです。